ご挨拶
このたび日本ASPセラピー普及協会顧問を拝命しました函館五稜郭病院緩和ケア科の西本武史でございます。[colwrap] [col2]
[/col2] [col2]
私は、1998年に医師としてのキャリアをスタートし、しばらくは福井医科大学(現、福井大学)の精神科であまりうだつの上がらない精神科医をしていました。
転機となったのは、2010年に福井赤十字病院精神科に一人医長として赴任したことでした。
ここで何でも一人でやらなきゃいけなかった関係で緩和ケアと精神科リエゾン1)の仕事をやりはじめ、以降はこれらを専門として活動してきました。
[/col2] [/colwrap]
また、2011年、福井大学に戻った際に、精神科から新しく移籍したがん診療推進センターが、緩和ケアと臨床栄養学の講座だったため、臨床栄養学にも少しだけ手を出しています。
2014年からは地元北海道に戻り、緩和ケア病棟や在宅緩和ケアの仕事を4年ほどしたあと、現在の職場で緩和ケア・精神科リエゾン・臨床栄養といったチーム医療に携わっています。患者さんは、がんのみならず、心不全、腎不全、骨折、適応障害、認知症、せん妄2)…と何でもアリで、2021年の新規サポート患者は600名を超えました。
元々、東洋医学に興味があり、抑肝酸3)のケースレポートを書いたこともありますし、私の主治医?もYNSAの鍼灸師です。
当協会と関わるようになったきっかけは、知人を通して知り合った松浦哲也先生です。彼から疼痛や不安といった私の患者さんとは切っても切れない苦痛に対するASPセラピーの有効性を聞き、自分自身でも科学的な視点からASPセラピーを学んでみようと思っています。
個人的に鍼灸の面白いところは、痛みを伴うところだと考えています。薬だと副作用は出たり出なかったりしますが、鍼灸は必ず痛みという有害事象が出ます。しかも、ASPは通常の鍼より痛いとのことです(私はまだ体験したことがありませんが…)。「良薬は口に苦し」と言いますが、ASPは口に苦いことも良薬なことも分かっているので、あとはなぜ良薬なのかを解明することが重要となってくるでしょう。
私に期待されていることは、医科(と言うのですよね?)と鍼灸の融合だと考えています。医科的な評価や解析を臨床鍼灸に応用し、ASPセラピーを科学的に説得力(≒エビデンス)のある鍼灸に発展させるお手伝いができれば…思っています。
本職が多忙で、逆に色々ご迷惑をおかけすることも多々あると思いますが、よろしくお願い申し上げます。
1)…総合病院で身体疾患患者に合併した精神疾患をケアする医療
2)…身体疾患や薬物を原因とする特殊な意識障害
3)…抗不安・催眠作用を有する漢方薬(ツムラ54番)
[aside type=”boader”]
西本武史(医師)
Takefumi Nishimoto, M.D.
- 函館五稜郭病院 緩和ケア科 科長
- 福井大学医学部 非常勤講師
[略歴]
1970.08.23.生 51歳 北海道出身
1998年福井医科大学卒業 同年医師免許取得
[資格]
精神保健指定医
日本精神神経学会精神科専門医・指導医
日本緩和医療学会緩和医療認定医
日本総合病院精神医学会一般病院精神科特定指導医
日本サイコオンコロジー学会登録精神腫瘍医 [/aside]