松浦哲也(理事・普及広報部長 )
ご挨拶
「日本の鍼灸はまるで骨董品の様なものだ。必要な人からすればとても価値が高いのだろうけれど、そうでない人からすれば全くの無価値・・・」
ある大学の教授が仰っていた言葉です。
この言葉に衝撃を受けた私は、もっと鍼灸を一般の人に知ってもらいたいと思い、施術を含め様々な啓蒙活動を行ってきましたが、まるで豆腐に鍼を刺すかの如く、まったく手ごたえを感じていませんでした。
そう、それはあたかも骨董品に価値を見い出せない人に、一生懸命その価値を説明し理解してもらおうとするかの如き行いだったからです。
そんな時、NHKのTV番組でBattlefield Acupuncture(以下、BFA)が紹介されました。
BFAはアメリカ空軍が正式に疼痛やPTSDの治療法として採用している方法です。
合理性を尊ぶアメリカ軍隊が正式に採用しているわけですから、理論はともかく、効果に対しては正に「折り紙付き」と言えます。
いいか悪いかは別として、ご承知の通り日本人はアメリカで認められたり、海外から逆輸入されたものに高い価値を見い出す習性があります。従ってこのアメリカ生まれのBFAを上手く日本で普及させることで、従来の鍼灸も骨董品の様なものから、誰もが価値を認めるものへと変貌させる事ができるのではないかと考えました。
これがBFAの普及活動をしている最大の理由です。
一部の名人による日本の伝統鍼灸は継承されるべき貴重なものですが、それを習得するには血の滲むような弛まぬ努力と生まれ持った才能が必要不可欠であり、誰もが習得できる類のものではありません。
不幸にも志半ばでその道を断念する鍼灸師がいることも紛れもない事実です。
しかし、正しく学ぶことが前提ではありますが、比較的短時間の練習で誰もが習得可能なBFAは、初学者でも即効性と一定の再現性をもった施術の提供を可能とします。
もし、全国どこの鍼灸院(施術所)でも一定以上の効果が得られるのであれば、誰もがその価値を認め、もう骨董品の様な扱いを受ける事はなくなるのではないかとの想いから、2019年にBFAを誰もが学べる様に日本で最初のBFAの施術解説書を豊富な図解写真付きで作成しました。
私は、初学者にまずBFAを用いた施術で鍼灸の効果を実感してもらいたいと思います。その成功体験が更に自信に繋がり、口コミで患者さんを紹介してもらえる様な良いサイクルが生まれることを期待しています。
そして、いつかBFAによる施術で限界を感じた時、自信と余裕を持って次のステップ(伝統的な鍼灸の習得や継承)に進んでいってもらいたいと考えています。
「鍼灸を通じて地域社会に貢献したい」との想いで、日々精進されている鍼灸師の皆様に、私達が少しでも力になるようであれば、これにすぐる喜びはありません。
最後に、JATA普及広報部は副部長(SNS広報担当)を平賀先生、北海道東北地域のエリアリーダーを添田征伸先生、九州沖縄地域のエリアリーダーを安里智明先生にお願いしておりますが、会員の皆様全員が協会の名の示す様にASPセラピーを普及する普及広報部員としてご活躍していただけたら嬉しく思います。
皆様のお力添えをよろしくお願いいたします。
※エリアリーダーは今後増員予定です。
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松浦 哲也(はり師・きゅう師・鍼灸学士)
【略歴】
昭和50年8月:長野県飯田市に生まれる、幼少の頃より鍼灸に触れ教育を受ける
平成6年4月:明治鍼灸大学鍼灸学部入学
平成9年3月:はり師・きゅう師国家試験合格
平成10年3月:明治鍼灸大学鍼灸学部鍼灸学科卒業・学士(鍼灸学)
平成12年1月:1950年開業・直神傳澤田流 松浦鍼灸院継承
平成26年12月:大動脈解離を発症、九死に一生を得る
令和元年5月:日本ASPセラピー普及協会 設立発起人・理事
令和元年8月:ぴんころ鍼灸道 開宗
令和3年6月:一般社団法人 日本ASPセラピー普及協会 理事 現在に至る
【所属団体】
- 公益社団法人 日本鍼灸師会
- 一般社団法人 長野県針灸師会
- 飯伊鍼灸師会
- 北信鍼灸師会
- 公益社団法人 全日本鍼灸学会
- 一般社団法人 日本ASPセラピー普及協会
- Battlefield Acupuncture研究会 主宰
- Cosmetic Acupuncture研究会 主宰
- ぴんころ鍼灸道 開祖
- ぴんころ鍼灸塾 主宰
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